Aki Kaurismaki
  / makieba

... 町工場の昼休み

ロボットよりも人間の方が余程使い易いというのが二人の一致した意見だった。
 「ロボット」の働く町工場の、昼休みの一情景を取り出すことで、近未来に想像されるロボット社会の滑稽さを描いている。
 近未来社会を単なるSFにしないために、ロボットの滑稽さだけでなく、その扱いに手を焼く人間の滑稽さもしっかりと描かれている。どちらも非常に人間臭いところが皮肉だ。
 人間はより便利になろうと人間よりも優れた作業をするロボットを作った。しかしロボットは高度になればなるほど扱いづらい…… ロボットを作るのは人間なのだから、それを超えるものを創ることは出来ない。それは神と人間の関係にも似ている…… むしろ、人間の思わぬ面を他者としての人間は発見してしまうだろう。
 設定をより皮肉に感じさせる、他に無い文体で書いた作品。